モノノケトンガリサカタザメは長崎の魚屋から送られたものが新種として報告されました
おはようございます。長崎の印束商店のTwitterアカウント(@nagasakisakana)の中の人です。
先日、Twitterでもお話しした通り、印束商店から黒潮生物研究所に標本を送らせていただいたモノノケトンガリサカタザメが新種として記載されました。
本来、トンガリサカタザメとされていたもののうち、東シナ海のものはほとんどがこのモノノケトンガリサカタザメになったとのことです。
識別点は、吻のとんがり具合、背鰭の形、体側の黒班や小白点の有無があげられていました。
▲モノノケトンガリサカタザメの詳細
吻があまり尖らず、黒班を二つ持ち、小白点が点在していません。
残念ながら、トンガリサカタザメの写真はありませんが、まあ言われてみれば結構違うので分かると思います...
また、トンガリサカタザメ科ではなくサカタザメ科のサカタザメやコモンサカタザメは長崎では湯引きで結構食べます。トンガリサカタザメが水揚げされたのも、このような文化的背景があったからとも言えるでしょう。普通、食べないサメ類は漁獲されてもその場で捨てられてしまいますからね...
▲サカタザメ
▲コモンサカタザメ
▲サカタザメの裏側
これらはまとめてキャーメと呼ばれます。由来は不明...普段は底生生物を食べているので、歯は全然尖っていません。今さらですが、サメとつきますがエイの仲間です。ですが、長崎の扱いを見ているとサメの仲間と認識されているようです。長崎ではギンザメを含むサメ類は湯引きで食べますが、エイ類は湯引きにしませんからね。
長崎近海で漁獲され、印束商店から黒潮生物研究所に送られていた個体が、新種であるモノノケトンガリサカタザメのタイプ標本となりました!
— 印束商店(旧長崎の変わった魚屋) (@nagasakisakana) 2020年9月22日
従来トンガリサカタザメとされていたもののうち、九州西岸のものはほぼ全てこのモノノケトンガリサカタザメとなることになりました。 pic.twitter.com/aJ4rJpnCV6
▲公式Twitterでのツイート