イゴダカホデリの和名の由来
イゴダカホデリ
って、まあまあ魚詳しい人なら知っていると思います。
普通なら「どんな名前や!?」となる魚ですが、この名前は長崎が発祥かもしれません。
イゴダカホデリとは
今更感がありますが、実物を見たこと無い方もいるかもしれないので少し解説します。
ちなみに私は2019年に入ってから三度買って食べています。
イゴダカホデリは小型のカナガシラやホウボウの仲間で他のカナガシラ類とは吻棘が左右一本で分岐しないことで見分けられます。
頭だけで分かるので比較的同定が易しい魚です。
▲イゴダカホデリ Lepidotrigla alata
スズキ目ホウボウ科カナガシラ属
イゴダカホデリは小型のカナガシラやホウボウの仲間で他のカナガシラ類とは吻棘が左右一本で分岐しないことで見分けられます。
頭だけで分かるので比較的同定が易しい魚です。
▲イゴダカホデリの吻棘(生と骨格)
▲イゴダカホデリの胸鰭
胸鰭はそこまで綺麗ではありません。
由来
遊遊さかな大図鑑(小西 2007)より、
変わった和名であるが、榮川省造によると、いご(鱗)だか(高い)ほでり(火照り)で鱗のあらい赤い魚という意味
とあります。
変な話ですよね、他の小型のカナガシラ類も鱗は同じようなものだと思うのですが...
で、なぜ長崎が関係あるのかというと
原色海水魚図鑑(蒲原、岡村 1985)より、
カナガシラ類の長崎における地方名がそれぞれ
- イゴダカホデリ/イゴダカホデリ
- イゴダカホデリ/マホデリ
- オニカナガシラ/ニトロホデリ
と、されており、小西(2007)においても、
長崎で「にとろほでり」と呼ばれる。漢字で書けば「煮蕩火照」で煮汁まで赤くなる魚の意味である。
と、ありますので「◯◯ホデリ」が小型カナガシラ類の長崎での呼び方なのかなぁと思います。
他にも私が考えた理由があります。
長崎魚市場に以西底曳網船が存在するということです。
底曳網ですから底棲魚であるカナガシラ類はたくさん獲れることになります。
数が獲れる魚は地方名がつきやすいでしょうからね。
ちなみに蒲原、岡村(1985)にはまだ地方名が載っており、
- カナド/アカッポ
- ホウボウ/カナガシラ
- イゴダカホデリ/ツノガツツ
とあります。
ホウボウをカナガシラって呼ぶとこなかなかですね(笑)
カナガシラは「ガッツ」と呼んで節分に食べます。
「金頭」だから金持ちになるからと聞きますが地方名がガッツなのに...と思います。
そもそもカナガシラはホウボウの地方名なはずですし...
時代が経つうちにいろいろ変わっていったのでしょう。